ガムラン音楽考
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ガムランから連想されるのは、やはり、ひたすら鳴り続けるゴングの音です。このゴングの音の上に、祭囃子の笛の音や、お経を読む声のようなものが重ねられることもあります。ガムランとはもともと、楽器の総称で、現地の人々は、自分たちの音楽を、カラウィタンと呼んでいます。カラウィタンはさらに、カラウィタン・ジャワ、カラウィタン・バリなどのように地域によって分けられます。
大きく分けて、カラウィタンはペロッグとスレンドロという音階があります。これはジャワもバリも共通です。音程の中に半音が含まれるものをペロッグ、含まれないものをスレンドロと呼びます。どちらも一音階の中は5音が基本ですが、ペロッグには7音、スレンドロには4音の音階なども存在します。5音のペロッグは沖縄音階(ドミファソシ(A♭CD♭E♭G))や都節音階(ドミファラシ)に似て聞こえますし、5音のスレンドロは民謡音階(ドレミソラ)や雅楽の律音階(ドレファソラ)に似て聞こえます。民謡音階に近いものは、オクターブを5つにほぼ等分したもので、C,Eb,F,G,Bbの音に近い音で構成されますから、自動作曲システム」では、これを、A,C,D,E,Gに移調して使用しています。
ジャワガムランはペロッグの楽器一セット、スレンドロの楽器一セット両方持って初めて完璧になります。演奏もペロッグとスレンドロを交互に演奏することがあります。バリガムランの場合には、例えばゴン・クビャールという形態のガムランセットはペロッグ、グンデル・ワヤンならスレンドロ、という風にオーケストラの構成楽器によって扱う音階が違ってきます。ガムランは地域や時代によって幾つかのバリエーションが存在します。ジャワとスンダでも違っていますし、それらとバリではかなり違っています。バリに関しては時代によって用いられる
楽器の形態が変遷していますので、当然音階も変わってきています。演奏目的(神事・葬儀・王宮儀礼・民衆娯楽)によっても用いる楽器が違うのでこれまた違いが生じます。実際の演奏に際しては、これら楽器の編成や形態による音階の違いはもとより、調律師によって音が違うということが起きます。演奏する人間にとっては、決まり事からはずれない程度にいかに個性的な音に調律してもらうかが重要にるようです。例えば、同じゴン・クビャールでも楽器が違えば音はもちろん音程も違って聞こえます。このようなわけで、ガムランの音階を定義することは難しいと思われます。(以上の内容は、るっちゃんから提供していただいた情報を参考にさせていただきました。)
ガムランのゴングは、低音のものから、高音のものまで、数種が組み合わせて使用されるようですが、
低音のものから高音のものに行くに従って、1小節あたりの音数が多くなるよう
です。実際には、1〜2小節単位の単純なパターンが延々と繰り返されるもの
が多いのですが、「自動作曲システム」では、もっと音のランダム性が高くなっています。 |
音階
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スレンドロ 「ド」「レ」「ミ」「ソ」「ラ」 ペロッグ 「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「シ」のうちの5音 |
楽器
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ガムラン(ゴング類、その他の楽器で構成されています。実際に、見たことがないので、よくわかりません。) |
自動作曲システムによるサンプル曲 |
MIDIデータ |
関連サイト
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「るっちゃんち」に行くと、インドネシアの楽器の情報を見たり、ガムランのMIDIを聞いたりすることができます。 |